住所: Nordenskiöldinkatu 12, 00250 Helsinki, Finland Google マップで開く
入場料: ガイドツアーはしばらくの間、休止します。ご理解ください。
テーマ: オフィスビル, 赤レンガ
ウェブサイト: アルヴァ・アアルト財団
国民年金協会の本部ビル(Kansaneläkelaitos/KELA、1953-1956年)はヘルシンキ中心部にほど近い場所にあります。味わいのあるモニュメントのようなこの建物はアアルトのオフィスビル建築の傑作と言っても過言ではありません。そして、今尚、建設当時と同じ用途のまま使用されています。
アイノとアルヴァ・アアルトは1949年、国民年金協会ビルの建築コンペティションで勝利を収めました。建設するにあたり、当初とは違う敷地へと移る事になり、新しく設計し直されました。新しい三角形の敷地には、建物を小さめのセクションに分け、建物自体が大きすぎる印象にならないようにしました。建物の中央には通りの騒音を考慮し、落ち着けるように高さのある中庭を作りました。これは、公共建築の特徴である近隣の建物との差別化によるものです。建物は公園に向かって階段状になっています。
建物全体では310部屋、延べ床面積が 22,500㎡、それぞれのスペースは使用者の立場に立って設計されています。内装の家具、照明、テキスタイル等は建物の全体感を考えてデザインされています。インテリアに使用された素材は各スペースの利用目的に応じて変えてあり、素材によってスペースが階層分けされています。
一般の人が利用する案内ホールは3階までの吹き抜けになっており、三角柱形状の天窓から光が差し込むようになっています。このホールには当初は28の相談窓口がありました。そして建物内には半フロアー程度下がった閲覧スペースのある小さな図書館があります。これは、アアルト設計のヴィボルグ(ロシア)の図書館(1935年)を思い起こします。
当初いくつかの建設候補地がありましたが(予算の関係上などの諸事情により)、最終的な建設地が決まるまでは時間を要しました。
アアルトは1952年まで、さらなる発展のための提案を委任されました。最終的に決まった建設地はヘルシンキの中心部にほど近い、3つの通りに囲まれた小さめの三角の土地でした。
密集した都市部に大きなオフィスビルを建設する際の問題をなくするため、アアルトは建物を小さめのセクションに分け、高さの違う部分は変形したU字型に、高さの低い部分は建物後方にある公園の方を向き、中ほどには小高く外部から隠れるように中庭を作りました。
外壁には赤レンガ、銅板、黒い御影石を使用しました。建物は細部にまでこだわって設計され、インテリアにはこの建物のための多くのオリジナル照明や家具、既製品にアレンジを加えた家具などがデザインされました。内壁には様々な色のアアルトオリジナルデザインでポール状のタイルも使われています。

外壁には赤レンガ、銅板、黒い御影石を使用。写真: Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)

3つの通りに囲まれた三角形の敷地に建つ。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)
密集した都市部に大きなオフィスビルを建設する際の問題をなくするため、アアルトは建物を小さめの部分に分け、高さの違う部分は変形したU字型に、高さの低い部分は建物後方にある公園の方を向き、中ほどには小高く外部から隠れるように中庭を作りました。
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1. 国民年金協会ビル
案内
基本情報
国民年金協会ビル(Kansaneläkelaitos/KELA)
国民年金協会ビルはヘルシンキの中心部のほど近くにあり、住所は Nordenskiöldinkatu 12, Helsinki です。こちらまでは公共交通機関のご利用が便利です。
その他の詳細はこちらから。
追加情報
注:国民年金協会ビルのガイドツアーはしばらくの間、休止します。ご理解ください。
毎週月曜日の14時から希望者がいる場合にはガイドツアーを催行します。参加を希望する場合、希望日(月曜日)の前週の水曜日までにopastukset.paatalo@kela.fi まで必ずお申し込みください。