住所: Röntgenstraße 81, 38440 Wolfsburg, Germany Google マップで開く
入場料: 入場無料
テーマ: 教会, 文化施設
開館時間
ドイツのヴォルフスブルク(Wolfsburg)にある、アルヴァ・アアルトの設計した総合施設には聖霊教会(Heilig-Geist-Kirche/Church of the Holy Ghost、通称:ヴォルフスブルク教会)、鐘楼、教区施設、牧師館、幼稚園が含まれており、各建物が集まってひとつの建築群を形成するように設計されています。それぞれの建物が中庭を囲むように配置されており、周辺エリアには背を向けているような形となっています。アアルトは1960年1月にこのプロジェクトに取り掛かりましたが、実は1958年のデンマーク国際教会コンテスト用のプロジェクトの原則に基づき製図を行いました。
ヴォルフスブルク教会は1962年に利用が開始されました。教会の最も目を引く特徴は祭壇の後ろ側の床から上に向かってアーチ型を形成する天井です。建物の内部はこのアーチ型の天井を5組の木板が扇のような形となって天井全体を覆っています。これは基本的には音響効果のためですが、礼拝者を守るために包み込む手を象徴化したものでもあります。
教会の天井に届く側面の窓もまた個性的な形になっています。これらの窓は朝や夕方の太陽光が直接信者席に当たらないようになっています。祭壇に向かって右側には天窓が付いた5角形の洗礼堂があり、外からは銅板で被覆されたタワーのように見えます。32メートルの高さがある教会の鐘楼には並行したコンクリート製の薄い板状の支柱が2本と、その間には棚上になった部分が4段あり、それぞれに鐘が1つずつ設置されています。
教区センターは扇状の形をした平屋の建物で堅信室が2つ、大きな講堂、ミーティングルーム、クラブルーム、キッチンがあり、これら全ての施設が共通の吹き抜け部分を囲むように配置されています。牧師館は細長い長方形の建物で1階半の高さがあり、聖職者、牧師、音楽主任司祭、教区の看護師たちのオフィスと4つのアパートが入っています。

ヴォルフスブルク教会と教区センター。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)

ヴォルフスブルク教会の最も印象的な特徴であるアーチ型の天井。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)
この総合施設には聖霊教会(通称:ヴォルフスブルク教会)、鐘楼、教区施設、牧師館、幼稚園があります。各建物が集まってひとつの建築群を形成するよう配置されており、周辺エリアには背を向けていますが中庭部分を囲む形で繋がっています。