住所: Giardini Della Biennale, Calle Giazzo, 30122 Venice, VE, Italy Google マップで開く
入場料: 1名様25ユーロから
テーマ: アート, 希少性のある
ウェブサイト: ヴェネツィア・ビエンナーレ
開館時間
アート後援者であるマイレ・グリクセン(Maire Gullichsen)の主導により設計されたフィンランドのパビリオン・フィンランド館は、1956年春に開催されたヴェネツィア・ビエンナーレ国際アートフェスティバルにおけるフィンランドの展示会場として使用するためにジャルディー二広場(Giardini parkland)に設置されました。アルヴァ・アアルトはたった2週間でこのパビリオンの設計を完成させなければなりませんでした。
アアルトの企画書によると、パビリオンは移動可能で簡単に解体でき、保管して再度組み立て可能な展示スペースであり「テントのようなもの」と記されています。簡単な構造であるパビリオンの壁と屋根は木製のパーツで作られました。建物全体としては、青い壁と白い三角形状が一体となって構成されています。天窓からは自然の光が差し込み、壁には展示物を掛けるスペースが用意されました。
もともと一時的な建造物の予定だったフィンランド館ですが、ヴェネツィア・ビエンナーレが行われたエリアの同じ場所にまだ残されています。そして何十年もの間、さまざまな展示を開催しています。このフィンランド館は人気のある展示物であり、偶数年に開催されている国際建築展覧会・ヴェネツィア建築ビエンナーレにおいても重要な役割を担っていると考えられています。
フィンランド館はそのまだ短い歴史の中で3回の大規模な修復を行っています。1975~76年にイタリアの主導のもとで、1993年にはパヌ・カイラ(Panu Kaila)率いるフィンランドの建築学の学生によるプロジェクトとして、そして2012年にはジャン二・タラミ二(Gianni Talamini)によって修復されました。このパビリオンはアルヴァ・アアルトが生涯イタリアで完成させた唯一の建築物です。この建築物を保存することは、エリッサ・アアルト(Elissa Aalto)の言葉によると、「アルヴァ・アアルトに対する敬意であり、彼とイタリアとの繋がりを思い出させるもの」なのです。
アルヴァ・アアルトはイタリアを非常に好んでおり、特にヴェネツィアを愛していました。アルヴァとアイノ・アアルト(Aino Aalto)は1924年に新婚旅行で初めてイタリアを旅し、ヴェネツィアも訪れました。アアルトはその後も頻繁にヴェネツィアを訪れ、特に50年代と60年代には2人目の妻であるエリッサ・アアルトと共にヴェネツィアでたくさんの時間を過ごしました。
「私にとってイタリアへの旅は常に私の心の中にある。それは今でも記憶の中で生き続けている過去の旅なのかもしれないし、今現在している旅なのかもしれないし、もしくはこれから行く予定の旅なのかもしれない。」建築家アルヴァ・アアルト、1954年

フィンランド館はヴェネツィア・ビエンナーレの会場にあり、何十年もの間さまざまな展示会を催している。写真:Göran Schildt (クリスティーネ・ゲラン・シルツ財団)

層板の青い壁と白い三角形部分が一体となって構成された建築物。写真:Ywe Jalander(アルヴァ・アアルト財団)
このパビリオンはアルヴァ・アアルトが生涯イタリアで完成させた唯一の建築物です。この建築物を保存することは、エリッサ・アアルトの言葉によれば、「アルヴァ・アアルトに対する敬意であり、彼とイタリアとの繋がりを思い出させるもの」なのです。
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1. ヴェネツィア・ビエンナーレのフィンランド館
案内
基本情報
ヴェネツィアへの行き方
フィンランド館はヴェネツィア・ビエンナーレの主会場であるジャルディー二(Giardini)公園内にあります。公共の水上バス(vaporetto)の最寄の停留所は「ジャルディー二(Giardini)」です。鉄道駅またはローマ広場(Piazzale Roma)から徒歩で行く場合、所要時間は約1時間です。
フィンランド館およびヴェネツィア・ビエンナーレ展示会場がオープンするのは、奇数の年に開催されるヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展(Venice Art Biennale)、または偶数年に開催されるヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展(Venice Biennale of Architecture)の開催期間中のみとなりますのでご注意ください。ヴィエンナーレは通常、春から秋かけての期間に開催されます。詳細はこちらをご覧ください。
Alvar Aalto web shopでは、ヴェネツィア・ビエンナーレのフィンランド館に関する本をお買い求めいただけます。