住所: Prospekt Suvorova 4, Vyborg, 188800, Russia Google マップで開く
入場料: ガイド付きツアー 350ルーブル / 名(約5ユーロ)
テーマ: モダニズム, 図書館, 白漆喰
ウェブサイト: ヴィボルグ(Vyborg) 図書館
開館時間
午前11時から午後7時(ガイド付きツアーおよび一般向けにオープン)
日曜日:
ガイド付きツアーのみ
午前11時から午後7時(ガイド付きツアーおよび一般向けにオープン)
土曜日~日曜日:
ガイド付きツアーのみ
ロシア、ヴィボルグ市(Vyborg)にあるアルヴァ・アアルト図書館は1935年に完成されました。これはアアルトを世界的に有名にした建物の一つです。ヴィボルグ図書館のコンペティションと設計の歴史はアルヴァ・アアルトが古典主義から機能主義へと転換したことに関係しています。この図書館のコンペに際してのアイデアは、その後のアアルトの設計事務所が手掛けた作品に反映されています。
アルヴァ・アアルトが設計した建物の中で、この図書館は特に変化に富んだ歴史を持っています。アアルトは古典主義建築の様式に基づいた案で1927年に図書館のコンペティションに勝利しました。ところが大不況の中、図書館の建設は何度も延期されました。図書館の建設予定地も当初の計画から変更され、図書館のために調達された資金も他に使用され、後に図書館が建つはずだった土地の前には代わりにヘラジカの像が建てられました。最終的にアアルトのそれまでのプロジェクトのトゥルン・サノマット新聞社(Turun Sanomat)ビルやパイミオのサナトリウム(Paimion parantola)などから発展したスタイルの、現代的で斬新な建物として図書館は1935年に完成されました。
建物は主に2つの構成要素から成り立っています。一つは様々な部門から成る図書館そのもの、そして二つ目は図書館の社会的機能を持つクラブルームです。ヴィボルグ図書館は当時フィンランドで最初に建てられた図書館のうちの一つであったため、図書館としての役割だけではなく社交場としての機能性が用意されたのです。例えば、カーテンで部屋を仕切るなど、建物内のスペースを多目的に使用できることが非常に重要視されました。建物は3つの図書館施設で成り立っています。メイン図書館、児童図書館、新聞の閲覧室です。建物のメインエントランスは図書館の北側正面に位置しており、児童図書館と新聞の閲覧室は東および南側に位置しています。独特な建物のデザイン形式に加えて、装飾の少ない控えめな白い外観、平らな屋根、天窓、建物の長さ分一列に並んだ窓からは機能主義の特徴が見られます。
第二次世界大戦でフィンランドはヴィボルグ(Vyborg)の町をソビエト連邦に明け渡しました。ヴィボルグ図書館は戦火を免れましたがソビエト統治下で修復が行われるまでの10年間ほどは使用されることなく放置されました。1955〜61年のソビエトによる修復の後、図書館は最初の計画通りに市立中央図書館として再び機能し、ヴィボルグの文化を象徴するものとなりました。
ところが、時が経つにつれて図書館は徐々に荒廃していきました。最終的には1990年代初頭にロシアとフィンランドの共同プロジェクトとして、図書館の復旧に乗り出しました。その際、ヴィボルグ市はアアルトの設計事務所に修復計画の協力を依頼しました。フィンランドの環境省の協力のもと、アアルトの後妻で建築家であるエリッサ・アアルト(Elissa Aalto)は修復作業のプロジェクトを立ち上げ、これが現在の改修プロジェクトに発展しました。
この国境を越えたプロジェクトの最終目的は、建物がもともと持っていた建築物としての価値を取り戻すことでした。この修復作業は資金的な理由により当初は作業を進めるのに時間がかかりましたが、 2010年にロシア政府より出された資金によって作業が進捗しました。20年間もの修復作業も終了し、復旧された図書館は2013年11月に一般公開されました。図書館の修復作業は、非常に高い技術を用いた素晴らしい結果と国際的な協力が称賛され、多くの賞を受けました。今日では図書館は地元民にとって重要な公共施設となり、またこの街を訪れる人にとって人気の観光地となっています。

1935年完成のヴィボルグのアルヴァ・アアルト図書館。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)

ヴィボルグ図書館の講堂ホールは音響効果を高めるための波状の木製天井が特徴的。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)
ヴィボルグ図書館の建設と設計の歴史はアルヴァ・アアルトが古典主義から機能主義へと転換したことに転換したことに関係しています。この図書館のコンペに際してのアイデアは、その後のアアルトの設計事務所が手掛けた作品に反映されています。
追加情報
この図書館の大部分の家具や照明器具はアアルト設計事務所によってデザインされました。図書館の壁や天井、その他のインテリアには豊富に木材が使用されています。その他にはカーテンやドア、壁などにはそれぞれのスペースによって異なったテキスタイルが多く使用されています。
案内
基本情報
ヴィボルグ(Vyborg)への行き方
ヴィボルグ(Vyborg)図書館はロシアのヴィボルグ市にあり、住所は Prospekt Suvorova 4, Vyborg です。フィンランドの首都ヘルシンキ(Helsinki)からヴィボルグへは車、バス、電車で簡単に行くことができます。ヴィボルグまでの電車の所要時間はヘルシンキからは約2.5時間です。外国人がロシアへ旅行する際はほとんどの場合ビザが必要となるのでご注意ください。
ヴィボルグ図書館は平日であれば個人での訪問が可能です。開館時間は、冬の時期は月曜日から土曜日の午前11時から午後7時までで、日曜日は閉館しています。夏の時期(5月〜8月)は月曜日から金曜日の午前11時から午後7時まで開館しています。
図書館では通年ロシア語による見学ツアーを月曜から土曜まで毎日催行しています。冬の時期は最初のツアーが正午12時から開始し、1時間ごとに行われます。最後のツアーは午後5時の開始です。夏の時期(5月〜8月)のロシア語のツアーは月曜日から日曜日まで催行されます。チケットは当日に購入できます。またはEメール、電話、ウェブサイトの申し込みフォームで事前に予約することも可能です。
英語のガイド付きツアーは事前予約が必要です。英語のツアーに関するお問合せは以下です。
電話+8 813 782 4279、Eメールstv@aaltolibrary.ru、または図書館のウェブサイトの申し込みフォームにご記入ください。
チケットは当日購入が可能で、Eメール、電話、ウェブサイトの申し込みフォームで事前に予約することも可能です。お支払はガイドツアー当日にルーブルの現金のみの扱いとなりますのでご注意ください。
2020年のヴィボルグ図書館休館日:
1月 1, 2, 6, 7, 8日
2月 23, 24日
3月 8, 9日
5月 1, 2, 3, 9, 10日
6月 12日
11月 4日
追加情報
ロシア語のガイド付きツアーは冬の時期、月曜日から土曜日まで毎日1時間毎に6回催行されています。最初のツアーは正午12時に始まり、最後のツアーは午後5時の開始です。夏の時期のロシア語のガイド付きツアーは月曜日から日曜日まで毎日6回1時間毎に催行されます。最初のツアーは正午12時に始まり、最後のツアーは午後5時開始です。チケットは当日に図書館のインフォメーションにて購入できます。事前予約に関するお問合せはEメール:stv@aaltolibrary.ru、電話:+8 813 782 4279、またはヴィボルグ図書館のウェブサイトの申し込みフォームにをご利用ください。英語のガイド付きツアーは電話、Eメール、またはヴィボルグ図書館のウェブサイトの申し込みフォームにご記入の上事前予約が必要です。ツアーのお支払はすべて催行当日にルーブルの現金のみの扱いとなりますのでご注意ください。