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ラウタタロ(鉄鋼業者協同組合ビル)

住所: Keskuskatu 3, 00100 Helsinki, Finland Google マップで開く

入場料: 無料

テーマ: オフィスビル, レストラン

ウェブサイト: アルヴァ・アアルト財団

開館時間

ランチレストラン・Dylan Marmoripiha の営業時間
月曜〜金曜日:10時30分〜14時
土曜〜日曜日:10時30分〜15時

アアルト設計事務所は1951年に建築コンペティションで勝利を収め、1955年に鉄鋼業者協同組合ビル/ラウタタロ(Rautatalo)をヘルシンキの中心部に完成させました。建物の名前であるRautatalo(鉄の家の意味)はビルの所有者、鉄鋼業者組合に由来します。

ビジネスビルの内部は細部にまでこだわって設計されており、アアルトは隣にあるエリエル・サーリネン(Eliel Saarinen)が1920年に設計した建物との調和を考え、通り側のファサードには銅板を用いました。

建物のメインとなるのは大きな光のあたる空間で、床面にはカッラーラの白い大理石が使われていることから、通称「Marmoripiha(大理石の庭)」とよばれています。下のフロアーには店舗があり、オフィスフロアーは吹き抜けとなっている「大理石の庭」を囲むようになっています。天窓から大理石の庭に光が差し込む様子は、まるで地中海諸国の建築のようです。

ラウタタロは1991年より、建物とその一部の室内空間が建造物保護法で保護されています。ここは現在でもオフィスビルとして使われており、メインとなる光のあたる空間(大理石の庭)はカフェとして一般の方が利用できるようになっています。そのカフェのインテリアには一部アアルト家具が使われています。

1951年、アアルトは「Casa(カーサ)」という名でヘルシンキ中心部都市計画のビジネスビル建築コンペティションに参加しました。依頼主は建物の名前、Rautatalo(鉄の家の意味)からわかる通り、フィンランドの鉄鋼業者協同組合でした。アアルトの提案はこのコンペティションで見事に勝利を収め、1952年から57年にかけて実施設計が行われました。

アアルトのコンペティション案では、屋根で覆われた光の空間(大理石の庭)は常に最上階の7階天窓から自然光を受け、トラバーチン石材で覆われたロフトは5階までありました。

依頼主の要望を受け、設計段階でロフトは2階分に縮小されました。光の空間にはカフェと噴水を設計し、それを囲うように店舗の配置を考えました。その店舗にはアアルト家具のマーケティングと販売をしているアルテック社(Artek)を予定していました。

光の空間は前にある通りより1階分高い位置にあり、そこから幅の広い階段を降りると通りに出るドアに続きます。階段部分と一部光の空間の内壁は様々な色のアアルトオリジナルデザインのポール状のタイルが使われています。ラウタタロのドアには、アアルトの有名なブロンズ製のドアノブが初めて使われました。

トラバーチン石材で覆われたロフトが明るい「大理石の庭」を囲んでいる。写真:アルヴァ・アアルト財団

ケスクスカトゥ通り側から見たラウタタロ。写真:Heikki Havas(アルヴァ・アアルト財団)

Rautatalo, Helsinki
「大理石の庭」の天窓から美しく自然光が差し込む。写真:アルヴァ・アアルト財団
Helsinki Rautatalo Akademic Bookstore photo Martti Kapanen Alvar Aalto Foundation
隣にあるエリエル・サーリネンが1920年に設計した建物との調和を考え、通り側のファサードには銅板を用いた。写真:Martti Kapanen(アルヴァ・アアルト財団)

案内

基本情報

ラウタタロ/鉄鋼業者協同組合ビル(Rautatalo)

ラウタタロはヘルシンキの中心部にあり、住所は Keskuskatu 3, Helsinki です。大理石の庭と言われている空間は、レストラン Dylan Marmoripiha の営業時間内にご覧いただけます。

その他の詳細はこちらから。

ラウタタロの歴史について(英語) 

アルヴァ・アアルト財団のウェブサイト / Rautatalo office building(英語) 

 

Alvar Aalto web shop ではラウタタロに関する本をお買い求めいただけます。