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セイナヨキのアアルト建築

住所: Seinäjoki, Finland Google マップで開く

入場料: お問い合わせください

ツアー: セイナヨキエリアのパッケージツアー、またはガイドツアーのご予約は ラケウス観光局(Visit Lakeus)まで。Eメール:sales@visitlakeus.fi、電話:+358 6 420 9090

テーマ: オフィスビル, 図書館, 教会, 行政センター

ウェブサイト: Visit Seinäjoki

アルヴァ・アアルト設計の行政と文化関連センターは世界的に見ても建物全体を独自の建築芸術作品と言えます。多様な用途の建物であり、価値あるこのセイナヨキ市(Seinäjoki)の建築群はアアルト建築の代表と言えます。しかし、彼が都市中心部に設計した中にはいくつもの実現できなかった計画もあります。

セイナヨキには1924年から1926年、アアルトが若い頃に古典主義様式で手掛けた自衛団会館があります。また、アアルトセンターは6つの建物と1988年に完成した市民広場で構成されています。

アアルトセンター(Aalto-keskus)

セイナヨキのアアルトセンターは2つの建築コンペティション案に基づき、1958年から1988年にかけて完成しました。

1951年 、アルヴァ・アアルトはセイナヨキの教会区の企画した教会設計のコンペティションに「Lakeuksien risti」で勝利を収め、その7年後の1958年には、セイナヨキのタウンセンターの設計コンペティションにも勝利し、市庁舎の他に図書館と市立劇場、合同庁舎の設計を手掛けることになりました。これらはコンペティションで概要が提案されていました。

アアルト設計事務所はアアルトセンターの建物の他に、アアルトセンターの外灯、障壁、庭の素材とその庭木も担当することになりました。

 

セイナヨキ市民広場(Kansalaistori Seinäjoella)

アアルトはセイナヨキの都市計画でモニュメンタリズムを基本としていましたが、広場を囲むように建物があり、広場やその他のオープンエリアに自由に人々が出入りできるように考えました。アアルトは若い頃はアンティーク好きでその影響か、ここは古代ローマの公共広場のようにも見えます。つまり、イタリアからの影響でピアッツァ広場(piazza)でもあるといえます。

広場にある建物、市庁舎、図書館、市立劇場はどれも御影石(花崗岩)と小さな敷石からなる石畳の広場で区切られてます。広場はアアルトの提案によると、会議や集会のため、そして人々が集う場として設計されました。彼は広場に人々が集まる意味として、互いに意見を述べ、社会的な交流の場になる「新たなルネッサンス様式」を促すものであればと望んでいました。

行政と文化関連センターは徐々に建設され、最後に完成したのは噴水と植木や花に飾られた市民広場でした。広場の敷石は東側の通りを越え行政と文化関連センターの教会へと続いています。このように6つの建物と広場で一つの建築芸術となっています。

自然の光が差し込むラケウデンリスティ教会。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)

教会は平日やイベントのある場合、また予約制で一般に開放されている。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)

アルヴァ・アアルトは人々が広場に集まる意味として、互いに意見を述べ、社会的な交流の場になる「新たなルネッサンス様式」を促すものであればと望んでいました。
Seinäjoen kaupungintalon aula tulvii valoa.
セイナヨキの市庁舎ロビーは光であふれている。写真:Visit Seinäjoki
Seinäjoen kaupungintalo. Kuva: Visit Seinäjoki, Katja Lösönen.
年月を経て変化する深みのある青いセラミックタイルの壁が特徴的なセイナヨキの市庁舎。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)
Seinäjoen Aalto-kirjasto
セイナヨキのアアルト図書館の改修工事後、閲覧スペースにはアアルトデザインのランプ「nauris」が戻された。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)
Lakeuden Ristin kirkko, Seinäjoki
ラケウデンリスティ教会は家族でも利用される。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)

訪問先 セイナヨキのアアルト建築

セイナヨキの市庁舎とラケウデンリスティ教会。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)

「平原の十字架」ラケウデンリスティ教会と教区センター

セイナヨキのアアルト建築 / 1951-60

アアルトは1951年にセイナヨキ(Seinäjoki)教区が発表した大規模な教会と教区センターのコンペティションに「Lakeuksien risti(フィンランド語で「平原の十字架」)」と題した作品をもって参加しました。 他の参加者の作品では教会の一部または別の少し小さな建物を教区センターとしていましたが、アアルトはセイナヨキ市を含む浦浦ヤンマー(Pohjanmaa) 地方全体で夏に開催される恒例の大きな宗教イベントに注目し、他とは異なる設計をしました。教会の正面に面した大きな広場は教会に向かって傾斜が付いており、教区施設が広場を囲んでいます。ただしこのアアルトの設計は広大な空間を要したため規定の建築制限を20mほど超えていました。そのためコンテストの受賞はできませんでしたが、審査員はアアルトの作品を購入し、その設計を基にした建設を進めることを決定しました。 最終的には、この平原の建設計画はアアルトに依頼されました。教会は1958~1960年に建てられ、その正面にある大きな教区センターは1964~1966年に建てられました。教会は基本的にコンテストの設計に基づいて建てられましたが、外壁に黒の花崗岩を使用するというアアルトの希望は予算の都合でかないませんでした。しかし教会横にあるチャペルには花崗岩を使用し、教会自体の建物は白漆喰仕上げのレンガにすることで合意しました。…

セイナヨキの市庁舎とラケウデンリスティ教会。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)

セイナヨキのアアルト図書館

セイナヨキのアアルト建築 / 1965

セイナヨキの図書館はセイナヨキ市(Seinäjoki)のアアルトセンターの一部として設計され、1965年に完成しました。当初は主に建物の1階部分が一般利用者用スペースと従業員のオフィススペースで、下の階には倉庫と展示スペースがありました。図書館の備え付けも含めた家具や照明器具は建物の一部としてアアルトによって設計、デザインされました。 アアルト図書館(Aalto-kirjasto)は、2012年に新しいアピラ図書館(Apila-kirjasto)ができるまでセイナヨキのメインの図書館でした。2つの図書館は建物の中で行き来できるように地下の廊下でつながっています。アピラ図書館完成後、アアルト図書館は建設当時の姿に戻すよう改修工事を始め、2015年春に終えた改修工事は成功した良い例となりました。工事期間中に閲覧室の家具や照明器具も修復し、元あった場所に戻されました。 現在、図書館には地域の情報収集、家系調査、子供用セクションなどがあります。その他、建築や民族学、芸術、歴史に関する文献が揃っています。 アアルト図書館では以前の閲覧室と貸し出しカウンターに、セイナヨキ市が所有する貴重なアアルトのガラスコレクションが展示されています。…

セイナヨキの市庁舎とラケウデンリスティ教会。写真:Katja Lösönen(Visit Seinäjoki)

セイナヨキの自衛団会館

セイナヨキのアアルト建築 / 1924-25

セイナヨキの自衛団会館(Seinäjoen Suojeluskuntatalo)は、南ポホヤンマー県(Etelä-Pohjanmaa)の自衛団の依頼で建てられ、3階建ての建物をそれぞれの目的に応じて利用していました。本館は当初、南ポホヤンマー自衛団とロッタ・スヴァード(Lotta Svärd)協会の事務所として使用され、最上階は住居でした。 本館の石造りの半地下部分には円形状の会議室、ロビーやクロークがあります。その上の木造の階には事務所と最上階には専用の入り口のある住居スペースがあります。本館に加え中庭には1階がガレージとサウナ、ランドリールーム、武器用倉庫、2階には4つの住居スペースのある建物と、後には庭の反対側に木造の倉庫が建てられました。庭は訓練やパレード用の場所として考えられました。 第2次世界大戦後、この建物は長年にわたり青少年協会、学校、旅行会社として利用されていました。現在は南ポホヤンマー県ミュージアムの自衛団とロッタ・スヴァードミュージアム(Suojeluskunta- ja Lotta Svärd -museo)になっています。 本館には展示スペース、会議室、インフォメーション、ミュージアムショップがあります。中庭の建物には展示スペースとミュージアム事務所があります。…

案内

基本情報

セイナヨキ市(Seinäjoki)へのアクセス

セイナヨキはヘルシンキから約400㎞北に位置し、ヘルシンキからは電車Onnibus(オンニブッシ)、または Matkahuolto(マトゥカフオルト)のバスの利用が便利です。駅は町の中心部に位置するため、セイナヨキのアアルトセンターまで簡単にお越しいただけます。

ほとんどの建物は通常のオフィスの業務時間内に一般開放されています。ラケウデンリスティ教会への訪問、市立劇場でのランチを満喫し、数年前にオリジナルの姿に戻ったアアルト図書館への訪問が可能です。自衛団とロッタ・スヴァード博物館(Suojeluskunta- ja Lotta Svärd -museo)はアルヴァ・アアルト設計の南ポホヤンマー県の自衛団会館にあります。それぞの建物を訪れ、その背景を知るには、ガイドと共に見学されるのが一番のおすすめです。

 

セイナヨキのアアルト建築

住所一覧

  • ラケウデンリスティ教会と教会区(Lakeuden Risti と Seurakuntakesku):Koulukatu 24, Seinäjoki
  • 市庁舎(Kaupungintalo):Kirkkokat 6, Seinäjoki
  • アアルト図書館(Aalto-kirjasto):Koulukatu 21, Seinäjoki
  • 合同庁舎(Virastotal):Alvar Aallon katu 9, Seinäjoki
  • 市立劇場(Teatteri):Alvar Aallon katu 12, Seinäjoki
  • 自衛団会館(Suojeluskuntatalo):Kaupakatu 17, Seinäjoki

その他の詳細はセイナヨキ観光局公式ホームページ / Visit Seinäjokiまたはこちらから。

ガイド付きツアー

セイナヨキエリアのパッケージツアー、またはガイドツアーのご予約は ラケウス観光局(Visit Lakeus)まで。Eメール:sales@visitlakeus.fi、電話:+358 6 420 9090