
「平原の十字架」ラケウデンリスティ教会と教区センター
セイナヨキのアアルト建築 / 1951-60
アアルトは1951年にセイナヨキ(Seinäjoki)教区が発表した大規模な教会と教区センターのコンペティションに「Lakeuksien risti(フィンランド語で「平原の十字架」)」と題した作品をもって参加しました。 他の参加者の作品では教会の一部または別の少し小さな建物を教区センターとしていましたが、アアルトはセイナヨキ市を含む浦浦ヤンマー(Pohjanmaa) 地方全体で夏に開催される恒例の大きな宗教イベントに注目し、他とは異なる設計をしました。教会の正面に面した大きな広場は教会に向かって傾斜が付いており、教区施設が広場を囲んでいます。ただしこのアアルトの設計は広大な空間を要したため規定の建築制限を20mほど超えていました。そのためコンテストの受賞はできませんでしたが、審査員はアアルトの作品を購入し、その設計を基にした建設を進めることを決定しました。 最終的には、この平原の建設計画はアアルトに依頼されました。教会は1958~1960年に建てられ、その正面にある大きな教区センターは1964~1966年に建てられました。教会は基本的にコンテストの設計に基づいて建てられましたが、外壁に黒の花崗岩を使用するというアアルトの希望は予算の都合でかないませんでした。しかし教会横にあるチャペルには花崗岩を使用し、教会自体の建物は白漆喰仕上げのレンガにすることで合意しました。…