
カウットゥア建築群のテラスハウス
エウラのカウットゥア・ルーキンプイスト / 1937-38
カウットゥア地区(Kauttua)にあるテラスハウス(Terassitalo)はアルヴァ・アアルトの作品の中で世界的に有名な建築のひとつです。1937年にアルヴァ・アアルトはアールストローム(A. Ahlström)社から町の開発計画およびカウットゥア鉄工所エリアにおける建物の設計の依頼を受けました。これはこの会社のCEOであったハリー・グリクセン(Harry Gullichsen)と彼の妻である マイレ・グリクセン(Maire Gullichsen)がアルヴァ・アアルトの友人であったことが関係しています。この地域の伝統的な建築物とは意図的に異なる様式で設計することで、カウットゥアは新たな地域社会をコンセプトとし、現代的な建築物を建造する場として計画されました。この地域に最初に建てられた住居は1938年に完成した「階段の無いアパートメント」と名付けられました。段状のテラスハウスとして知られている建築です。 この段状のテラスハウスは会社の上層部社員のために設計されたものでした。もともとこの地域の傾斜がある場所に同様のテラスハウスをいくつか建設する予定でした。段状に建つテラスハウスは建築物を周りの自然環境に融合させたいという建築家の願いを表した具体例です。複数の階がある住居が丘の傾斜に沿って段をつけて建てられているため、各階が地面に接しており各アパートの入り口から地上に出ることができます。…