訪問先リストに戻る

ユヴァスキュラのアアルト建築

住所: Jyväskylä, Finland Google マップで開く

入場料: お問い合わせください

ツアー: アアルト建築は個人で自由見学、または専門ガイドによるガイドツアーでご覧いただけます。お問い合わせは、ユヴァスキュラのツアーインフォメーションまで。Eメール:matkailu@jkl.fi、電話:+358 14 266 0113

テーマ: サウナとプール, モダニズム, 住宅, 古典主義, 学校, 教会, 行政センター, 赤レンガ

ウェブサイト: ユヴァスキュラのアアルト建築

湖と丘のあるフィンランド中部の街ユヴァスキュラ市(Jyväskylä)は、アルヴァ・アアルト建築が世界で最も多くある町です。

全部で28か所ある中には、アルヴァ・アアルトミュージアム(Alvar Aalto-museo)、ムーラメ教会(Muuramen kirkko)、そして彼の一番の代表作と言われているセイナッツァロ町役場(Säynätsalon kunnantalo)などがあります。

アアルトはユヴァスキュラで学校へ行き、家庭を持ち、誰もが知るキャリアを積んでいきました。街には彼の初期の建築から後期のものまで幅広くあります。

ユヴァスキュラでは巨匠の足跡を古典主義様式から機能主義建築へ、そしてレンガ建築からモニュメンタリズムへと巡ることができます。ガイド付き散策ツアーや自転車、船の旅など盛りだくさんです。

ユヴァスキュラはアアルト建築も含め、会議などでのご利用にも適しています。大学の街ユヴァスキュラでは、大きなグループに対応したレストランや本場のサウナも見つかるでしょう。

また、変わったところではアアルト・アルヴァリ・屋内プール(uimahalli Aalto Alvari)があります。これはアアルトが設計したプールでは一番古いもので、フィンランドに最初にできた5つの屋内プールのうちの1つです。 一般のプール、ジャンプ台、子供用プールの他に、波のプールやウォータースライダーやジャグジーなどもあります。

ユヴァスキュラ大学本館はキャンパスで最も有名な建築。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)

ムーラメ教会の庭には当初バラ園が計画されていた。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

Muuratsalon Koetalo kuva Maija Holma Alvar Aalto -säätiö
実験住宅は小高い岩の上にあり、アアルト建築ではよく見られる建物を景観の一部にしている。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)
Muuratsalon koetalo
ムーラッツァロの実験住宅ではアアルトが自由な発想でレンガ構造を試している。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)
ALVAR AALTO LOCATION VIITATORNI-sky view-PHOTO TERO TAKALO-ESKOLA
ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)
ALVAR AALTO LOCATION AIRA BUILDING blue sky-PHOTO TERO TAKALO-ESKOLA
ユヴァスキュラのアイラハウス(Aira-talo)は細部にわたり目を引くものがある。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)
alvar-aalto-museo-museum-jyvaskyla-kuvaaja-janina-kastikainen
ミュージアム入り口のあるファサードに窓はなく、アアルト建築の特徴と言える。写真:Janina Kastikainen(アルヴァ・アアルト財団)
ALVAR AALTO LOCATION-UNIVERSITY of jyväskylä interior-PHOTO TERO TAKALO-ESKOLA
天窓から自然光が差すユヴァスキュラ大学本館のエントランスホール。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

訪問先 ユヴァスキュラのアアルト建築

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

アアルトアルヴァリ・屋内プール

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1954-56, 1964, 1975, 1991

アルヴァ・アアルトの設計した唯一の屋内プール・アアルトアルヴァリ(AaltoAlvari)は、ユヴァスキュラ高等学校(現ユヴァスキュラ大学)の建築コンペティションで設計されたものです。このプールにはジム、屋内運動場、カフェも併設されています。現在、フィンランドの大学都市として、またスポーツ・ヘルスサイエンス学の中心としてのユヴァスキュラの町を語る上で重要な役割を担っています。この屋内プールは何度かに分けて建設され、1番古いものは1955年に作られた25mプールです。1964年には子供用プールを、1968年にはジムを、そして1975年には50mプールを加えました。1991年の改修工事の際にはスパが加わり、この屋内プールの施設はアアルトアルヴァリ(AaltoAlvari)と名付けられました。 アアルトアルヴァリは1990年代に建設されたスパを除き、1992年に建造物保護法のもと保護されました。長年にわたり改修工事が行われており、最初の改修は1998年に始まった25mプールでした。最後に改修が行われたのは1975年に建設された部分で、2013年工事が完了し、これでスパを除くすべての部分で改修工事が行われたことになります。今後スパの改修と増築工事を行う予定です。この新たな改修と増築計画の目的はアアルトアルヴァリをユヴァスキュラ市民や多種多様な趣味を持つ人々、そして観光客も楽しめるようなフィンランドで屈指のウォータースポーツセンターとするためです。…

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

ムーラメ教会

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1926–29

アルヴァ・アアルトは1920年代にいくつかの教会を設計し、その中で唯一実現したのがムーラメ教会(Muuramen kirkko)です。ムーラメ教会はアアルトが少しずつ古典主義様式から機能主義へと変わっていく、転換期の作品です。 ムーラメ町(Muurame)はアアルトが1923年、最初に設計事務所を構えたユヴァスキュラ市(Jyväskylä)のやや南にあります。ムーラメ教区が教会の設計を近くにいた敏腕な建築家アアルトに依頼したのは、ごく自然なことでした。アアルトは1924年に初めてイタリア旅行をし、その旅がムーラメ教会の設計に明らかに影響を及ぼしていました。イタリアの影響を受けた部分は時計塔や教区ホール下にある回廊にみられます。 ムーラメのモダンな教会は北欧古典主義様式を代表するものです。ムーラメ教会はムーラメのハルユ(エスカー:氷河衰退時に形成された地形で、うねった細い峰)にあり、それはこの地区の文化的遺産の一部として重要なものでした。教会は漆喰で塗られたレンガの身廊からできた細長い形状で、時計塔のアプスの一方に繋がっています。内部の 1番の特徴は梁で支えられたヴォールトです。右側には教区ホールがあり補助的な役割の礼拝堂になっています。ここから階段を降りると回廊から出口に繋がります。これはアアルトの設計では円形のバラ園に繋がっていました。…

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

アルヴァ・アアルトミュージアム

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1971-73

1966年、ユヴァスキュラ市(Jyväskylä)にアルヴァ・アアルトミュージアム協会が設立されました。その主な目的は、ユヴァスキュラでのミュージアムの設立と管理でした。アアルトは1971年秋に設計を完成させましたが、実際に建物が完成したのは1973年でした。 ファサードはアラビア社製の淡い色のHallaタイルで仕上げ(hallaはフィンランド語で霜を意味する)、高めに作られコンクリートの基礎部分は白く塗られています。艶のあるアアルトオリジナルのポール状のセラミックタイルはレリーフ状になっており、光の反射によってより強調されます。外観はまるで城壁のように見えます。展示スペースの高窓の木枠がアクセントになっており、ある一定の角度からこの建物を見た時には、それが美術館の外観に溶け込んでいます。入り口のある面にはドア脇の小さな窓以外に窓がありません。重厚な扉は銅板仕上げで扉の左側には少量の大理石が使われています。屋根の方向を見ると、東向きに高窓が配置されています。 現在この建物は、アルヴァ・アアルトミュージアムとなっています。ミュージアムの常設展示ではアアルトの生涯の作品と彼の人生について紹介しています。ギャラリーでは建築やデザインに関する企画展示をしています。こちらでの見学はアアルト建築やデザイン、彼の生涯について深く知るだけでなく、同時にアアルトの建築空間と建物を体験することがでます。アルヴァ・アアルトミュージアムは年間を通してご見学頂けます。また館内にはミュージアムショップやカフェもあります。…

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

ユヴァスキュラ大学キャンパスとセミナーリマキ

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1952-71

ユヴァスキュラ大学キャンパスの最初の建物は1880年代に建てられました。コンスタンティン・キセレフ(Konstantin Kiseleff)設計の赤レンガ造りの建物はセミナーリマキ(Seminaarimäki)で1番古い建物です。セミナーリマキの歴史的建築エリアは保護地区となっています。大学キャンパス建物の周辺は歴史的に見ても非常に価値があり、近代建築と古い建物を上手く組み合わせた設計の例であるとされています。 アルヴァ・アアルトは1951年、ユヴァスキュラ教育高等学校(現ユヴァスキュラ大学)の増築招待コンペティションで勝利を収めました。現在のユヴァスキュラ大学周辺は1970年代までにアアルトの設計を元に建てられました。アアルトのアイデアは都市を意味する「URBS」という案で、大学周辺の建物は都会的な雰囲気で建てられています。 アルヴァ・アアルトの提案は、いわゆるアメリカのキャンパスを元にしています。当初は学校の教育と行政サービスの本館、図書館、トレーニングスクール、食堂や住居、2つの体育館、何度も増築された学生組合により建てられた屋内プールに加え、スタッフの住居やヒーティングセンターがありました。アアルトの設計では運動場を取り囲むように半円状に建物が配置されていました。…

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

ユヴァスキュラの労働者会館

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1924-25

ユヴァスキュラの労働者会館は、仕事を始めたばかりのアルヴァ・アアルトにとって最初に設計した大きなプロジェクトの公共施設です。1924年から設計を手掛け、建物は翌年に完成しました。ここはアアルトの建築家としての足掛かりとなった建物で、彼の古典主義様式の時代の代表的な建築とされています。また、当時の歴史的建築としても非常に価値あるものです。既に1970年代初めに重要建築として保護の対象とされ、中部フィンランド県が1978年にこの建物を保護する事を決定し、1986年にはフィンランド政府の保護下におかれました。 建物の道路側の面は円柱とガラスの壁で形成されており、その後ろにはレストランとカフェがあります。そして2階からはモニュメントのような階段で下の階のロビーを通り、建物の外側へ出られるようになっています。2階にはほとんど窓がなく、政治イベントや演劇用に大きなホールがあります。 アイノとアルヴァ・アアルトはこの建物のためにインテリアと照明器具もデザインしました。ユヴァスキュラ労働者劇場とユヴァスキュラ市立劇場の公演は1982年に新しい市立劇場が完成するまで、この労働者会館の舞台を使用していました。現在は主に会議やパーティー用として利用されています。…

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

セイナッツァロの町役場

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1949-52

セイナッツァロの町役場(Säynätsalon kunnantalo)は1949年に招待コンペティションがあり、それを基に実現したものです。アアルトはこのコンペティションに「Curia」という案を提出して勝利を収め、すぐに実施設計を依頼されました。1952年に完成したこの建物はアアルト建築の中でも一際評価の高い建物です。町議会スペースは他の建築部分より高くそびえるように建てられており、改まった雰囲気にしています。建物の外観には公的空間のインテリア同様、主に赤レンガが使用されています。 セイナッツァロの町役場には様々な機能があります。お城にも見える建物の中央にはやや小高い中庭があり、ここから行政の部門や図書館へとつながっています。更に、この建物には役場職員の住まいやの賃貸オフィスもあります。…

ヴィータトルニ(Viitatorni)はユヴァスキュラにあるアアルト設計の高層住宅。写真:Tero Takalo-Eskola(Visit Jyväskylä)

ムーラッツァロの実験住宅

ユヴァスキュラのアアルト建築 / 1952-54

アルヴァとエリッサ・アアルトのサマーハウスだったムーラッツァロの実験住宅/夏の家(Muuratsalon koetalo)は、パイヤンネ湖(Päijänne)の北部、ムーラッツァロ島の西岸にあります。実験住宅の敷地内にはサマーハウス、木造倉庫、スモークサウナがあります。ここは森に囲まれたパイヤンネ湖畔の小高く美しい場所です。…

案内

基本情報

ユヴァスキュラ市(Jyväskylä)へのアクセス

ユヴァスキュラはフィンランド中部にあり、ヘルシンキから約270㎞北に位置します。ユヴァスキュラまではどこからでも、どのような交通機関を利用しても簡単で便利にお越し頂けます。

 

電車、またはバスで  

ユヴァスキュラはフィンランド中部にあり、電車やバスでどこからでも便利にお越し頂けます。ヘルシンキからは3時間半以下、タンペレ市(Tampere)からは1時間半ほどで到着します。電車の場合は割引チケットなどがありますので詳細はこちら でお調べください。バスをご利用の場合の時刻表や料金はこちらMatkahuoltoから。また Onnibus(オンニブッシ)のバスもご利用頂けます。

 

車で

ユヴァスキュラへは車のご利用も便利です。町は高速道路 E4の道沿いにあります。また、クオピオ市(Kuopio)やタンペレ市方面からは国道9号をご利用いただけます。車でのルート検索にはGoogleMapsなどのインターネットの検索サイトをご利用ください。

 

飛行機で

ユヴァスキュラまでは飛行機でもお越し頂けます。ユヴァスキュラ空港はユヴァスキュラの中心部から約23kmにあるテイッカコスキ地区(Tikkakoski)にあります。空港経由の長距離バスや他の交通機関の情報、詳細はこちらからご確認ください。

 

船やボートで

ユヴァスキュラのにぎやかで新しくなった港はユヴァスヤルヴィ(Jyväsjärvi)湖畔のルタッコ(Lutakko)にあり、ほぼ町の中心部に位置し、トラベルセンターも近くにあります。ユヴァスヤルヴィ湖へはアイヤランサルミ海峡(Äijälänsalmi)経由でパイヤンネ 湖(Päijänne)から来ることができます。船の往来は多いですが、水路の状態もよく安全です。ユヴァスキュラ周辺では豪華なビジター用の船着場があり、水や電気、船の汚水処理等の設備が整っています。港の詳細についてはこちらから。

 

その他の詳細はこちらから。

ユヴァスキュラ観光案内 / Visit Jyväskylä

ユヴァスキュラ市ウェブサイト(英語)

ユヴァスキュラのアアルト建築について(英語)

 

Alvar Aalto web shopではのアルヴァ・アアルトのユヴァスキュラに関する本と図面(PDF)をお買い求めいただけます。

ガイド付きツアー

アアルト建築は個人で自由見学、または専門ガイドによるガイドツアーでご覧いただけます。お問い合わせは、ユヴァスキュラのツアーインフォメーションまで。Eメール:matkailu@jkl.fi、電話:+358 14 266 0113