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ルイ・カレ(Louis Carré)邸

住所: 2 Chemin du Saint-Sacrement, 78490 Bazoches-sur-Guyonne, France Google マップで開く

入場料: 7~20ユーロ / 1名

ツアー: 見学ツアーは3月から11月の週末に行われます。プライベートのツアー(10~19名)は平日もしくは週末の午前中に催行が可能です。プライベートツアーについてはメールで resa@maisonlouiscarre.fr までお問い合わせください。

テーマ: アート, 住宅, 白漆喰, 美術館

ウェブサイト: ルイ・カレ(Louis Carré)邸

開館時間

3月~11月
英語のガイド付きツアーは土曜日、日曜日の14時~15時に催行。所要時間は1時間。

フランス語のガイド付きツアーは土曜日、日曜日の15時~18時に催行。最終ツアーは17時開始。所要時間は1時間。

1956年の秋、フランスの有名な美術商ルイ・カレ(Louis Carré)と彼の妻からアアルトのもとに連絡がありました。カレと夫人は、バゾッシュ(Bazoches)村の近くに手に入れた広大な土地に最高の芸術性と物質的な豊かさを兼ね備える別荘を建てることを望んでいました。この土地は歴史的建造物とランブイエの森(Forêt de Rambouillet)を見渡す絶景が眼下に広がるロケーションでした。アアルトに任されたのは建築だけではなく、可能な限りこの別荘のためだけにデザインされた家具、そしてテラスや植木も含めた土地全体の造園も依頼されました。

アアルトはその土地の景色に融合するように青色のノルマンディ・スレートを用いて、傾斜が付いた大きな屋根の家を設計しました。壁の一部にはシャルトル石灰岩が使われ、ファサードは白漆喰塗りのレンガと大理石も使用されています。もともとこの別荘は、フランス上流社会の著名人の顧客向けに美術商が保有する美術品を展示する事が主な使用目的だったため、室内は 接待用のパブリックゾーンとベッドルームなどのプライベートゾーンに分かれています。

広々としたエントランスホールには美術品を展示するための大きなパネルが設置されています。フィンランド人の大工によって作られた木製の天井は自然で自由な波形にデザインされていますが、これはリビングルームの段のある木製の天井と対称的なデザインです。壁の一面は大きな窓になっており、そこから外の絶景が広がります。

この建物ために特別にデザインされた照明器具や個性的なアアルト・デザインの家具がカレのアートコレクションと相まって全体のインテリアを形成しています。これは現代的な快適さと見事な芸術性を備え持つマイレア邸(Villa Mairea)に匹敵します。カレと彼の奥さんのそれぞれのベッドルームは豪華な内装が施されており、フィンランド式サウナや、風避けのあるプライベート庭園に繋がっています。キッチン、オフィス、豪華なゲストルーム側から屋根に上向きの傾斜が付いているため、高くなった分のスペースは建物の2階部分となっており、一家のスタッフのための寝室が4つあります。

老木がたくさんある家の周りの庭園もアアルトによりデザインされた景観となっています。芝土の階段、つまり草で覆われたテラスが丸太(現在は石に置き換えられている)で縁取りされて段状に広がっています。これはセイナッツァロの町役場(Säynätsalon kunnantalo)やアアルトのサマーハウスであるムーラッツァロの実験住宅/夏の家(Muuratsalon koetalo)に使われているものとよく似ています。また庭園にはスレートで作られた劇場型の石段があり、アアルト自身の建築オフィスであるアトリエ(Alvar Aallon ateljee / Studio Aalto)にあるものを思い起こさせます。スロープに繋がるガレージやスイミングプールも含めて全体のデザインが形成されています。ルイ・カレ邸の建設は1959年に開始され、作業は1961年まで続きました。

ルイ・カレ邸の庭のデザインもアアルト設計事務所が担当した。写真: Jari Jetsonen

ルイ・カレ邸のメインエントランス。写真:Martti Kapanen(アルヴァ・アアルト財団

特別にデザインされた照明器具や個性的なアアルトの家具がアートコレクションと相まってインテリアを形成しており、これは現代的な快適さと芸術性を備え持つマイレア邸に匹敵します。
Maison Louis Carré, Luxproductions
ルイ・カレ邸はアアルトが設計した個人住宅としては代表作の一つであり、細部にまでこだわったデザインが施されている。写真:Luxproductions
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
ルイ・カレ邸の庭園にある半円形状に広がる石段。写真:Heikki Havas(アルヴァ・アアルト財団)
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
ルイ・カレ邸はパリから約40キロ離れたバゾッシュ・シュール・グイヨン(Bazoches-sur-Guyonne)エリアにある。写真:Heikki Havas(アルヴァ・アアルト財団
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
ルイ・カレ邸の庭園。写真:Maija Holma(アルヴァ・アアルト財団)
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
個性的なデザインのダイニングルームのランプは、人々から愛されるアアルトの「ゴールデンベル(golden bell)」ランプ(A330)のバリエーション。写真:Martti Kapanen(アルヴァ・アアルト財団)
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
アートギャラリー・スタイルの間仕切りはエントランスホールのパブリックゾーンとプライベートゾーンを切り離している。写真:Heikki Havas(アルヴァ・アアルト財団)
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
ルイ・カレ邸のリビングルーム。写真:Martti Kapanen(アルヴァ・アアルト財団)
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
ルイ・カレ邸のエントランスホールはそこから一段下がったリビングルームへ流れるように繋がっておりその先には絶景が広がる。写真:Heikki Havas(アルヴァ・アアルト財団)
ルイ・カレ(Louis Carré)邸
アアルト・デザインの家具からのバリエーションである個性的な家具はルイ・カレ邸のためにデザインされた。写真:Heikki Havas(アルヴァ・アアルト財団)

案内

基本情報

ルイ・カレ(Louis Carré)邸への行き方

ルイ・カレ邸はフランスにあり、パリの市街地から車で約1時間のところにあり、住所は 2 chemin du Saint-Sacrement, 78490 Bazoches-sur-Guyonne です。ルイ・カレ邸へは車または公共交通機関を利用して行くことができます。春・夏の特定日には、入場料とパリ~ルイ・カレ邸の往復シャトルバスがセットになったチケットがオンラインで購入可能です。ルイ・カレ邸への行き方の詳細はこちらをお読みください。

ルイ・カレ邸の見学は一般向け、またはプライベートのガイド付きツアー参加者のみとなります。ガイド付きツアーは英語またはフランス語で行われます。ルイ・カレ邸の一般公開は3月から11月のみです。一般向けの見学ツアーは週末に行われます。 プライベートツアーは平日もしくは、週末の一般向けツアーが行われる前の午前中に催行が可能です。見学ツアーについての詳細はこちらをお読みください。

Alvar Aalto web shop ではルイ・カレ邸に関する本と図面(PDF)をお買い求めいただけます。

ガイド付きツアー

見学ツアーは3月から11月の週末に行われます。プライベートのツアー(10~19名)は平日もしくは週末の午前中に催行が可能です。プライベートツアーについてはメールで resa@maisonlouiscarre.fr までお問い合わせください。